GPSがいよいよ開幕。
これから始まる,大会。
今シーズン限りでしか競技を見られない選手も多いこともあり,
一試合一試合大切に見ていきたいと思っていた矢先の
スケアメが,修論の発表会の前の週という。
ううう,テレビで見たかったよ。悲しい。
ニコ動にアップされていた,町田選手,高橋選手,小塚選手のSPを見ました。
まずは町田選手,おめでとう。
エデンの東は,アメリカの原作で映画も作られているんだね。
シーズン中に一度どちらかに触れられたらいいな。
美しく,壮大な音楽。
演技前の町田選手,そしてコーチのリュウ先生の表情を見て,
しかっかり積み重ねてこれた自信が感じられました。
もともと芸術性には定評があり,ショーなどでも大活躍していた町田選手。
頭一つ分トップ層には足りないと感じられていた,技術点が今シーズンは完全に開花した感じですね。
4回転3回転の美しいこと。軸が細くてシャープな回転に見えました。
バレエにも力を入れているという話通り,手先の動きが綺麗ですね。
指先まで神経が張り詰められていて,優雅さを手のひらで。
しかし,腕の動きというか振り付けはダイナミックでもあるので,
それが相まって美しさと強さを表現していたような気がします。
彼は,憑依型の選手ですね。おそらく緻密に原作に触れ,その意味を自分なりに解釈し,表現したいものをもってきた…そういう印象を受けます。
トップ層にかじりついて,ソチに出るんだという気迫が感じられた町田選手。
どうかフリーでも,その魅力が存分に発揮されますように。
高橋選手は,順位やジャンプでは満足いくものではなかったけれどやはり今期のSPは素晴らしい。
佐村河内守さんは,日本のベートーベンと称される作曲家。
被ばく三世で,急に耳が聴こえなくなってしまったという壮絶な人生の中
「闘う」ことを描いたというヴァイオリンのためのソナチネ。
困難さに立ち向かい,それを乗り越えようと歩む姿を描いているこの曲は
まさに高橋選手の今までのスケート人生を描いているといっても過言ではないと思います。
その素晴らしい曲に,高橋選手の魅力を知りつくし,芸術性で世界を率いている宮本賢二さんの振り付け。高橋選手の芸術性が,相まって素晴らしいケミストリーを編み出している作品だと感じました。
一挙一動を見ていると,完全に体の動きをコントロールしているのが感じられます。空間を支配し,リンクで氷上という限られた環境の中,昂然たる世界をみせてくれました。彼の芸術性はここまで高みにあったんですね。
技術面でも,ここまでベテランの選手だから自分のことを知り尽くしていると思う。信頼のおけるコーチ陣もあるから,きっと大丈夫だと確信しています。
そして,小塚選手。
緊張にはいい緊張感と悪い緊張があるというのは今更私が言うまででもありませんが,
今回の小塚選手は若干悪い方の緊張が色濃いような気がしました。
ものすごいスピード,美しいスケーティング,スピンは健在でしたが
やはりどことなく表情が浮かないというか・・・
超技巧で,お洒落なプロ。もっとコミカルな表情や,チャーミングにおどけた表情など,表情も変化させていくのがいいのかなぁと思いました。
それは,顔芸という単に小手先な芝居をしろということではなく,
小塚選手がこのプロに何を感じ何を思うか,それをもう少し表面に出せるといいのかなあと感じました。
魅力的なプロを,小塚選手の力で更に魅力的にしたてあげることが出来るか否かが,ソチへの切符にかかっているように私は感じました。
女子も,男子FPも楽しみです。