S先輩
"ちーちゃんはちょっと足りない"貸してくださってありがとうございます。
先輩が、"衝撃的だった"って言ってたセリフがよーくわかりました。
途中までは、例えて言うなら"よつばと"みたいな感じで、独特のテンポを持つ子とそれをあたたかく見守る周りとのほのぼのストーリーなのかしらと思ってました。
でも、あれよあれよと。
読み終わったあと、胸に重た〜い何かが残る、そんな漫画でした。
ある程度層が均一化する、高校以降と異なり、その指定区域に住んでいる、ただそれだけで、同じ集団に属するという、公立中学。
その中で、勉強出来る出来ない、彼氏の有無、家族の裕福さ、いろいろな尺度での違いがあって。
その全てを満たしているように見える旭達と、その全てが満たされていないように見える、ちーちゃんとナツ
幸せも不幸も絶対評価だから、どんな環境でも、その人なりの大変さも幸せもあるはず。
旭は旭なりの苦労も大変さも辛さもあるはずなのに、ナツ達には相談しないから、ナツにはそれが見えなくて、余計ナツは悶々としたんだろうなぁと思います。
ナツの不公平感とか、妬んで、そういう自分に自己嫌悪を感じてるところとか、リアルだなぁって。
ナツは、すっかり"こじらせちゃってる"感じがしますが、そんな風に比較して、自分が惨めな気持ちになること、周りも自分も嫌いになってしまうこと。
その過程を全部まるごと受け容れてもらえれば、自己否定しなくて済むぶん冷静に考えれて、見えてない部分が見えてくるかもしれません。
見えてない部分、旭がなぜ自分の近くにいてくれてるのか、自分にとってちーちゃんはどういう存在なのか、母親がなぜ優しくしてくれるのか。
自分も捨てたもんじゃないし、"足りなさ"なんてみんな持ってるし、それを埋めることは出来ない。でも、自分の"足りてる"ところを見つめ直すことはできる。