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木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

対人関係療法でなおす気分変調性障害 水島広子

 

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

対人関係療法でなおす 気分変調性障害

 

 

精神科医であり、対人関係療法の第一人者である水島広子先生の本です。
水島先生の考え方、わかりやすく、すごく好きです。
最近はよく読んでいます。

この本は、気分変調性障害とはどういうものか、どうやって治療していくかを対人関係療法で解いているもの。
以下の点が強く心に残りました。

 

気分変調性障害にせよ、うつ病にせよ、ご家族の苦しみや葛藤も生じます。
特に、本人の症状、無力感や生活リズムの乱れが、不規則でだらしのない生活にみえてしまうということからの葛藤は親御さんに特に強いように思います。
本人のこの状態は、甘えやワガママと何が違うの?
受容することで増長してしまうのでは?
私も面接でよく聞かれた質問です。
また、親御さんだけではなく、本人自身もそう感じ、自責感が募ることも多いです。
その葛藤の結果、周りからの叱咤激励やこの自責感につながってしまい、それ自体のストレスによって更に症状が悪くなるという悪循環が起こるのも珍しくありません。

この苦しみについては、目の前の行動が、病気の症状だとしっかり認識することを推奨しています。
病気と捉えることで、その症状は本人のコントロール外だということが親子ともに理解できます。
怠けだと、本人がコントロール出来るものだと感じるので叱咤激励したり、自責したりするのですよね。
病気であると受け入れることによって、"病気を治すために努力すること"が一番大切な課題だと思えるようになることで、無闇なストレスから解放される…という考え方はなるほどと感じました。

 

後半は、気分変調障害の症状故に対人関係でどんな弊害が起きるのかを具体的に解説しています。
その弊害によって更に気分変調性障害が維持増幅してしまうという悪循環が生じているんですね。
その悪循環にメスを入れる方法を、患者と一緒に考えていくことが対人関係療法なんでしょう。
それは、今までとは異なるコミュニケーションを取らなければならないという意味で、患者さんにとっては主体的に頑張る必要があります。
主体的に頑張る患者さんを支え、伴走する役割が大いに支援者に求められると感じました。