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木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

この世界の片隅に

映画

わたしを見つけてくれてありがとう。

ずっと見たかった映画、やっと見ることができました。
見てよかったと心から。

のんちゃんの声がすずさんに命を吹き込んだのですね。
ほわほわとしていた前編から、憤りを表し、ほわほわしたままで生きていきたかったと泣くシーンまで。
それでも生きていくしかないこの世界。
救ってくれるのは、自分を見つけてくれた周平さんと震災孤児の存在なんでしょう。

勝手ながらのんちゃんの、大人の都合やら大きな力に翻弄され、本来の輝きに見合う活躍ができない姿と重ね合わせてしまいました。
それでも、前を向いて歩み、彼女の咲かせた花をみることができて、幸せでした。

夫婦の絆の物語とも読み解けると思います。
水原さんとのやりとりはすずさんが怒るのもすごくわかりました。
旦那は彼の気持ちがわかると言っていたけど、
自分が勝手に連れてきてしまった罪悪感とか、すずさんが水原さんの前で自分の前よりイキイキしているのをみて、嫉妬もあったろうし。
一度下船してるものの、お国のために近い将来死にゆく運命の水原さんへの思いもあったろうし。
でもね、怒るよそりゃー!
惹かれてるから、どうにかなってしまいかねなかったから、なおさら!

あなたの近くが私の居場所だと気づき、何度でも見つけてねと頼む。
何度でも見つけることが出来るよとこたえる。
最後の二人の絆のシーンは胸が熱くなりました。

どこまでがすずさんの空想なのか、どこまでが
現実なのか。
美しい劇画、美しいからこそ戦火の恐ろしさも際立ち。
飢えや空襲、原爆さえも、軽やかに描き、軽やかだからこそ私の胸にはずっしり残りました。

きっとこの映画を観れたことは、一生忘れないと思います。