怒りがスーッと消える本
「怒り」がスーッと消える本―「対人関係療法」の精神科医が教える
- 作者: 水島広子
- 出版社/メーカー: 大和出版
- 発売日: 2011/05/10
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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最近何に怒りましたか?
わたしは、飲み会後、11時に帰ると行ったのに終電で泥酔して帰ってきた夫に怒りました。
娘がタッチ出来たのを喜んで欲しいだけなのに、"はいはいたくさんさせたほうがいいらしいよ"とアドバイスをしてきた弟に怒りました。
"◯日空いてる?"と、なぜ尋ねるか理由を添えず、唐突にそれだけ聞いてきた友人にイラっとしました。
また、中学校の時に私をいじめた子と、大学時代、不倫をしていた友人に対しては長い間怒りを忘れることができませんでした。
不幸になれば良いと願ってました。
それは、この本でもあるように
自分の怒りの強さこそが相手の罪深さを証明するように思われる場合があります。怒るのをやめると相手の罪がうやむやにされるように感じてしまいます。
わたしは、怒りを手放したくなかったのですね。
傷ついた過去の自分がかわいそうだから、許せなかったんですね。
傷が少しずつ癒えて、手放せるようになったんですね。
この本では、怒りがどういうメカニズムで起こっているかを教えてくれます。
例えば、
飲み会後、11時に帰ると言ったのに終電で泥酔して帰ってきた夫に怒る
という事例。
私は、"約束を破られた"ということにショックを受け、何時に帰ってくるかわからないことに不安を感じ、結果怒りが生じたと思います。
その背景には、"私は育児で友達と好きなように飲みに行くのを我慢しているのに"という被害感があります。
帰ってきた彼と大げんかになったのですが、"あなたはいつもそう"と、過去のことを持ち出したり、"わたしばっかり我慢して"と、育児のストレスもぶつけてしまったのでした。
ただ、本にあるように"夫には夫の事情があり"、"夫にしかわからない事情の中でその中でベストを尽くしている"ものです。
私が夫に期待していたことは、
①11時に帰ると言ったらその通りに帰ってくる
②遅くなりそうだったら何時に帰ってくるか目安を教えてくれる
という二点でした。
ここで大切なのは、私が期待していたことは今の夫が出来る範囲なのかということ。
"無理しなくても出来ること"ではないと、結局その期待が満たされることはありません。
多分、①は無理だな。
なので、①は、"約束を破らずに済むように、予定帰宅時間はなるべく遅く伝える"としましょう。
これを、相手ではなくて、私を主語にしてお願いという形で伝えると…
"わたしは、約束が破られると悲しいから、帰る時間はきっと守れる位の遅めの時間を教えてほしいな。それが守れそうもない時は、心配になるから、帰りは何時くらいになりそうか、遅くなると分かった時点で教えて下さい"
と冷静な時に言えば良かったのかな。
また、私ばっかり我慢しているという被害感を和らげるために、彼が一度飲み会に行くたびに、私も自由な時間を少しもらえるように交渉してみようかな。
こうやって冷静に分析したら、カッカカッカとなっていた熱い身体も冷めて、建設的なやりとりを持つことができたのでした。
あとは、ここ数年弟に対しても怒りを感じることが多いのです。
無痛分娩することに、"麻酔って危険らしいよ"と助言してきたり、いきなり電話をかけてきて"子供は何人考えている?"と聞いてきたり。
姉に、"姉ちゃんも早く子供作らないとね"と言ったり。
これは、この本にあるように"自分の領域"に、ズカズカと入られている感覚を受けるので腹が立つのですね。
まずは、それに対処する方が良いかについて検討します。
本では、家族や親友など自分にとって重要な他者ならば、ずれをなくすほうが望ましいと言っています。
一方、友人や親戚などそこまで濃厚ではない他者に関しては、ある程度は黙認して、"譲られないところだけはこちらのやり方を尊重してもらう"というレベルを提案しています。
連絡をラインで撮り合うのが2ヶ月に一度程度、会うのは年に一度くらいの弟。
自分にとってそこまで重要な他者ではありません。
ならば、怒りを感じた時は、"私の領域に入ってこられて怒りを感じたのだな"と理解してスルーするか、"心配してくれてありがとう。いろんな専門家に頼りながら子育てしてるので、アドバイスは大丈夫です"と、"私の領域に入ってこなくていいよ"と伝えたりしようかな。
まだまだ検討できそう。
この本は、日頃避けては通れない"怒り"という感情とどう付き合っていくかについて丁寧に教えてくれます。
なんで自分が怒ったのか?
どう対応すればいいのか?
怒って反射的に行動して、結果自分の人生にネガティブな影響を及ぼすのではなくて、
冷静に検討してみることで、自分の怒りを自分にとっていい形で使うことができる。
少しずつ、練習してみようと思います。