木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

【あな帰感想】離婚していいよ

あなたには帰る家がある

 

今期唯一見ているドラマです。

俳優さんの演技力がすごい作品。

端正な顔立ちの玉木宏が、甲斐性がない駄目男に見えるから、同じく端正な顔立ちの中谷美紀が、中流家庭の主婦に見えるから、俳優さんはすごいです。

対して、ユースケのモラハラさえない教師も、木村多江の狂気を孕む思い込み激しい主婦も、負けてない。

 

前回、中谷美紀が離婚を伝えた時のあっけらかんとした感じにリアリティを覚えました。

あぁ、女の人が冷めて別れを切り出すときってこんな感じ。

散々悩んで、苦悩の中にいるときはぐちゃぐちゃしていろんな人に相談したりぐちゃぐちゃを外にこぼしたりするんですけどね。

決めたらスッキリ、強い。

中谷美紀にせよ、木村多江にせよ、女性の方が決めていますね。

 

最初は娘のためにと離婚をためらっていました。

その気持ち、すごくわかります。

子育てをする上で、夫が父親として必要だと思えば思うほど、離婚という選択肢はとりづらいですよね。

離婚による子への影響はネガティブなものはポンポン浮かびます。

 

現にわたしも、大学時代親の離婚問題が浮上した際に、離婚しないでほしいと母に伝えました。

帰る家がなくなるのが辛かったから。

父がいて、母がいて、そういう実家に帰りたかったから。

2人が別れれば、わたしの帰る場所がなくなるような気がしました。

でも、もう、父の妻ではない生き方をしたいと願った思いを大切にしてあげればよかったかなと、心の中に少ししこりはあるのです。

 

離婚していいよ…と、伝えたいです。

離婚で親の不仲が解消すれば、一年後の子の発育にはほとんど影響がないという知見もあります。

1年間はきっとガタガタするでしょう、残念だけどしょうがない。

全く何事もなかったかのように、明日から生活するのは無理で、喪われた家族の形を思って泣く日もあるでしょう。

 

ただ、傷ついた心を見ないふりして、娘のために自分を殺して生きていく方が、時に子に影響を与えてしまうかもしれません。

 

子にとって、親が自分のために我慢をしている状態というのはすごく辛いことです。

自分が親を苦しめている状態というのは自己肯定感が低くなり、時に親の期待に沿おうと過剰に努力をしてしまい、時に自暴自棄になり自分を傷つける行為をしてしまいます。

 

大事なのは、家族が違う形へと変わりますが、それでも父であり母であるということが子に伝わること。

この変化によって、新しい安定した関係を築けるようになったことを、身を以て示し続けることが必要なんだろうな。

きっと佐藤奥さんはは、それができる人。

 

だから、玲奈には辛い話だと思いますが、離婚していいよと、思いました。

今日も楽しみ。