木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

大谷翔平の素顔 佐々木亨

 

道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔

道ひらく、海わたる 大谷翔平の素顔

 

 

大谷くんはわたしにとってすごく魅力的な人。

どんな風に育ったのか興味があり、この本を読んでみました。

 

そもそも大谷選手になぜ惹かれたか。

それは、たまたま見たテレビで大谷くんのこんな言葉を聞いたからです。

メジャー行きについて栗山監督と大谷くんが話し合っていたとき、大谷くんが言った言葉。

僕にとっては、成功するとか失敗するとかではなく、挑戦することが大事なんです

この言葉、胸に響きました。

 

わたしは高校で初めて吹奏楽に挑戦して、でも全然上手くならなかったし練習も嫌いだったんです。

強豪校だったからオーディションで落ちて泣いて先生に怒られたこともあるし、さぼってパートリーダーに怒られたこともあるし、かっこ悪い自分がそこにたくさんいて。

それを恥じて、寝る前に吹奏楽に入ってなかった自分を妄想したりするんです。

うまくいかなくて、かっこ悪かったから、あの決断は間違ってたのかと思っていました。

でも違うんだ、わたしはたしかに挑戦した。

それがあの時のわたしにとっても、そして今の自分にとっても、大事なことだったんだ。

うまくいくこと、かっこよくスムーズにやることが大事じゃなくて、挑戦することそれ自体が大事で、それができたから良かったんだ。

そっかそっかー。

救われた気持ちになりました。

 

大谷くんに戻って。

親御さんの子育てスタンスは、基本的には本人の意思を大事にしていました。

自分で決めること、その結果を自分で引き受けること。

小さいうちから、自分の意思を尊重してもらう環境にあったのでしょう。

基本的に、それぞれの考えや意思を尊重する関わり方。

あまり親御さんからこんな風に育てたという話が出ない。

きっと、親御さんが教えて育てたんじゃなくて、彼が育つ土壌を親御さんが提供したという感じなんでしょう。

 

大谷家、居心地の良い家であったようです。自室はほとんど使わず、家族みんながリビングで過ごす家と述べていました。

安心して過ごせること、家で十二分に疲れを癒し、パワーをつけてまた外の世界でいろいろ吸収していくのでしょうね。

そう、家庭で教育するというよりは、大谷家は、安心安全なエネルギー補給の場であり、そこで、大谷くんは伸び伸び育った印象です。

 

花巻東高校や、日本ハムでのエピソードから、大谷くんの能力を大切に育てようと、適切なハードルを置こうとして苦慮した姿を見ました。

適切なタイミングを探るために試行錯誤した、まさに命を削って考え抜いたように思います。

どの選択にしたって"翔平の未来とって何が良いか"を一番に考えています。

そんな風に指導者に思わせるほど、大谷くんの魅力、身体的な能力にとどまらず、考え方や人格的な魅力もあるんだろうな。

なんだろう、"野球少年'と、大谷くんはよく称されますが、そんな感じのある意味純粋さもあるのでしょうか。

子供の夢は応援したいし、子の未来に希望を持つし、子供が楽しそうだとこちらも嬉しい。

大谷くんもそれと同じ、大谷くんが純粋に野球を楽しそうにやってる姿を見て、応援したくなるんでしょうか。

 

魅力的な人、愛される人。

娘にもそんな風に育って欲しい。

娘がのびのびと育つ土壌を、親である私たちが作ろう。

居心地の良いおうちをしよう。

そう思った本でした。