3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ
- 作者: ダナ・サスキンド,掛札逸美,高山静子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2018/05/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本を読み終わった前後で世界の見方が変化している本を、良書と呼ぶならば。
私にとってこの本は、とても良書でした。
これから保育園を選ぶ私にとって、育休を終え、働きながらの子育てへとシフトする私にとって、子供の過ごし方について考える軸が一つ増えました。
それは、"良質な言語環境であるか"です。
この本を要約すると、
家庭によって子供が1日に聞く語彙の数は驚くほど異なり、話しかけが多いほど語彙が増える。
語彙の増加は、自己制御能力にも大きく影響し、学校の成績やその後のIQにも関わっていく。
ということです。
自分の子育ても反省する点が多くありました。
積極的に話しかけようと意識してるものの、なかなかこの本で推奨されている水準とは程遠いです。
話しかけるコツとして、3つ挙げられています。
- Turn in
子供をよく観察し、子供が関心を持っていることについて話しかけます。
- Talk more
子供とたくさん話します。
例えば子供の行動を実況中継してみたり、
(aちゃんがよいっしょ、右足出して、次は左足!あんよが上手)
自分がやっていることをナレーションで語ってみたり。
(さぁご飯の準備しようかな、まずはテーブルを拭いてみよう。ごしごし)
子供が片言で言った言葉を膨らませて返したり。
(そうね、わんわんいたね。白い大きなわんわん、お散歩してたね)
こそあどを使わないようにして会話したり。
×これ美味しいね
○お魚美味しいね
- Talk turns
テニスのラリーのように、子供の言動に親が言葉で返し、それについての子供の反応を待つ…ということを繰り返します。
これは愛着形成にも関わってくる、大事なやり方です。
これらの関わり、1対1でも難しいです。
ましてや、保育者などの1対多数だとなかなかしづらいでしょう。
それを理解した途端、小規模保育にも興味が湧きました。
また、保育者にずっと平日朝から夕方まで預け続けるよりは、信頼できるベビーシッターにお願いし、一対一で関わってもらうことも大事なのかなぁと考え始めました。
わたしは育休を2年間とりました。
周りが1年間で復帰していく中、キャリアとの兼ね合いで焦ることもありました。
育児の日々を生産性なく感じ、2年間とったことを後悔したこともありました。
でもこの本を読んで、2年間とった自信がついたのです。
2年間ほぼ毎日毎時間娘と向き合い、語りかけ、共に過ごした時間。
わたしのやり方が完璧だったとは思いませんが、たくさん娘に語りかけられたことは自信があります。
それができたことは、心より良かったと感じます。
娘の持っている力が存分に発揮できるために、今後もたくさん語りかけ、話していこう。
そして、娘だけではありません。
全ての子供達が、存分にその力を発揮するためにどうすればいいんだろう。
三千万もの途方も無い格差を是正するためには、どうすればいいんだろう。
身近なことでいえば、身近な人やママ友に助言を求められた時に、伝えることは大事。
また、支援センターやママ友同士の関わり合いの中でも、娘に対してもお友達に対しても語りかけ、万が一気に入ってもらえればモデルになれば良い。
いつか子育て支援の現場で働けたら、それを伝えられたら良い。
なんて思いました。
心に留めながら、子育てしていきます。