木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

きのう何食べた?16巻

 

きのう何食べた?(16) (モーニング KC)

きのう何食べた?(16) (モーニング KC)

 

年末に嬉しい新刊です。

 

ケンジのご家族とシロさん初対面です。

食事後、お姉さん達がお会計をめぐって、

"これからはお母さんの分もみんなで割ろうね"

"ホラ、そうやって決めておかないと毎回揉めることになっちゃうしさ"

と発言し、その後シロさんの表情のアップだけのシーンがあります。

どういう意図のシーンなんだろうと考えてみました。

この食事会は、もとはといえばケンジの母親が、ケンジの死後を思ったことから始まります。

死後、お葬式で、シロさんとケンジの実家が、家族として一緒に見送ることができるように、顔合わせ。

これはとてもとても意外な理由でした。

でも確かに、同性愛は社会的にパートナーであることが認められてるわけではありません。

だからこそ、家族がそうやって、あなたのことをケンジのパートナーとして認めてますよと、表明することは、社会で認められてないからこそ大事な気がします。

その背景があった上でのお姉さんの発言。

ケンジの家族の、このシロさんという存在を自然に受け入れる感じのスタンスに、感動した部分があったのではないでしょうか。

 

ケンジとシロさん二人の関係が、周りの人たちに認められて、二人セットで周りの人との関係もできてきましたね。

一巻の、頑なに関係性を隠そうとするシロさんが、今や不思議に思います。

そんな風に、自然にケンジもシロさんも、二人の周りも変わっていくのですね。

 

年末にしみじみした思いになりました。