上野先生、フェミニズムについてゼロから教えてください!
なんとも言い難い気持ちを、独特のスタイルで表現している田房永子さんと、言わずと知れた上野千鶴子さんとの本。
深い深い学びを得た、大事な一冊になりました。
田房さんは、親に対しての葛藤を、自分で解消することを大切にしています。
そうでなければ、その葛藤を弱い存在である子供に向けてしまうから。
そして、その解消のためには親を理解すること、親を理解するためには、時代背景を知ることが不可欠だと上野さんとの間で語っています。
母親個人の選択は、当時の社会構造の中でそれしか選べなかったもの。女性性である母親が、どんな思いをしてきたのか、フェミニズムを学ぶことを通して、理解すること、それがこの本で田房さんがされている作業だと思いました。
あとは、田房さんがご自身の言葉と絵とで、独特に表現しているもの(A面、B面)は、フェミニズムの公私の分離モデルとして既に作られていて、それが下の世代に届いていないことについて上野さんが嘆いていたシーンも印象的でした。
そうか、私たちは一人一人0から積み上げるんじゃなくて、今までの先輩方が作り上げてきた武器を使っていいんだ。その武器を使って世界を名付け、理解することができるんだ。
それこそが学問の意味なんだ。
信田さよ子さんが、著書の中で
と語っています。
言語化する方法として、カウンセリングだけではなく、学ぶこと…特に、心理学や社会学、フェミニズムなどを学ぶことも有効だと感じました。
わたしは、自分の傷について言語化し、私の周りの大切な人たち…夫や娘に、それをぶつけないように、したいと心から思いました。