木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

妊婦になった苦しみ

水島広子先生の本を読み、変化という枠組みから自分の妊婦体験を捉え直してみました。

 

人生の中で、変化というのはちょくちょく訪れます。
進学、就職、引っ越し、結婚、病気などなど。
変化が訪れない人はいません。
喜ばしい変化であれ、悲しいものであれ、当人にとって変化に適応しなければいけないという意味ではストレスフルな出来事です。

 

変化には、喪失と獲得の両側面があります。
中学生の自分は喪失しますが、高校生の自分を獲得します。
独身の自分は喪失しますが、既婚者の自分を獲得します。

 

その喪失と獲得のプロセスにおいて、いろんな感情が湧いてきます。

・前の役割を失った悲しみ、喪失感
・突然の変化への戸惑い、怒り
・新しい役割についての不安

私は、妊娠という変化において、これらの感情が出てきました。
喪失は、妊娠をしていない自分であり、獲得は妊婦という自分です。

 

  • 前の役割を失った悲しみ、喪失感

身体的な変化は否応がなく現れ、産後も体型は戻らないことは悲しいことできた。
また、妊婦は女性というより母親とみられ、女性として性的対象に見られたりチヤホヤされることもなくなったという喪失感も正直ありました。
更に、健康で多少無理がきく自分から、基本的に体調が悪く、無理がきかない自分へと変わってしまったという喪失感も強く感じました。

 

  • 突然の変化への戸惑い、怒り

自らの意思で妊娠したとはいえ、予想以上に身体的な変化が訪れたことへの戸惑いは大きくありました。

 

  • 新しい役割についての不安

体調を慮りながら仕事をコントロールしていく役割が求められ、どの程度頑張ればいいのかわからず不安は募りました。
産休に入った後も、体調管理と休養のバランスが難しく、赤ちゃんにとって良い生活を送れているかという不安も募りました。

 

 

水島先生は、この変化を乗り越えるためには自分のこれらの感情を誰かに肯定してもらうことが重要だと言っています。
また、喪失からの回復プロセスには大抵数ヶ月必要であるとも。
安定期と呼ばれる時期は、5ヶ月頃からですが、きっとそれは母体や胎児の身体的な安定だけでなく、精神的にもこの変化を乗り越えるプロセスに必要な時期も同じくらいかかるのでしょうね。

 

私も…振り返れば7ヶ月位から安定してきた気がします。
それまでの不安定時期は、旦那がその時の私の心身状態を一切責めずに肯定し続けてくれたこと、先輩ママや友達が私の気持ちを聞いてくれたことによって乗り越えられました。

 

また、こうやって専門書を紐解き、自分のこれらの感情は当然なものだったんだなぁと受け容れることも、大切な試みでした。

 

きっと、これからも変化は続きます。
妊婦から、ママへと変化。
ママから、働くママへと変化。


同様に、私の大切な人達にも変化が訪れることもあるでしょう。
旦那も、パパになります。
独身の友達も、結婚や出産が訪れるでしょう。


その際に、彼らの変化のプロセスを支えられる自分でありたいなぁと心から思いました。
今回は、周りのおかげで本当に助かったので。