木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

バチェラー5 感想

バチェラー5、楽しく完走しました!

恋愛リアリティは、恋愛ドラマと異なりそこには本気の感情があって、人の人生の一部を見せてもらっている印象があります。

甲子園と同じだ。青春の一つの貴重な瞬間を、本来だったら近しい人じゃないとみられないような表情を、見せてもらえる感じ。

今回も、たくさんの感情を見せてもらえて、とてもとても良き時間になりました。

出演者の方には心から感謝です。

 

バチェラー 長谷川惠一さん。

バチェラーと発表された時、果たしてバチェラーとはなんなのかと、旧Twitter界隈ではバチェラーの定義に物議を醸されました。

"誰もが魅力する才色兼備でかつ経済的にも裕福な人物"と、無意識のうちにあったろうバチェラー像をある意味広げてくれた功績はあったでしょう。

3ヶ月も仕事を休んでメディアに露出するリスクを人は男女問わず限られてくると思います。

また、推薦があっても自分は社会的にバチェラーに相応しくないと躊躇する方がいることも想像に難くありません。

長谷川さんの存在によって、バチェラーの敷居は下がったことと予想します。

長身で姿勢が良く、その時々でするお辞儀の姿が印象的でした。

また、言葉を挟まず真剣な表情でただただ女性たちの言葉に耳を傾ける姿はとても好感が持てました。

なかなか人の話を黙って最後まで聞くことって難しいと思います。

一方、彼は自身のことを気持ちを言葉で表出できないのが課題だと評していますが…表出の段階の課題ではなく、自己理解の段階の課題ではないかと思いました。

旅を通じて、女性の話の後に"俺も本当にそう思う"と、共感というか乗っかるリアクションが目立ちました。

それは、言葉で自己理解ができた上ではなくて、曖昧模糊してる中で女性との表現を借りてるような、そんな感じ。

結婚したい、最後の恋愛にしたいという気持ちは語るものの、何故なのか理由は見えてきません。理想な相手についても"高められる相手が良い"と言いつつも、"ずっと恋していたい"と、なんとなくふわふわしてる印象。

竹下さんの持病、大内さんの経歴について"気にしないの?"と問われた時も、やや驚いた表情で否定します。

それも、気にするほどその影響について考えられていないからこそ出た反応に見えるのです。

付け加えておくと、全くその点を気にしていない表出なので、却って竹下さんも大内さんも安心しているような感じも受け、プラスに働いているとは思いますが。

でも、相手の過去や特性と共に生きていくことについて、真剣に思いを巡らせてほしいと、私だったら思います。

結婚相手を探しているのに、安定した結婚生活が目に見えて自分もリラックスできる西山さんを選ばなかったら認知的不協和が起こるので、理想の結婚相手として"恋してられる人"を挙げたと想像します。

いやぁ、恋してましたね。きっと、今回の女性の中で、大内さんは守りたい存在だったんだろうなぁと思います。

他の女性は、強く安定して、自分を持っていたから。大内さんも普段はきっとそんな方なんでしょうが、長谷川さんの前では不安定で涙という形でわかりやすく弱さも見せることができ、守ってあげたい、幸せにしたいと、"オス味"を前面に出していましたね〜

ある意味、長谷川さんが大内さんを選んだのも、納得できます。母親のような、一方的に受容される関係より、自分も相手に与えたいと思わせる関係。

長谷川さんと大内さん2人が隣に並ぶと、可愛らしく、素敵なカップルだと感じました。

 

竹下理恵さん

最後の、長谷川さんの前では涙を流さず、理由は聞かず、凛としていた姿が心に残りました。

メイク講師として堂々と仕事をする姿、かっこいい。家族の前でオープンに気持ちを話して家族内でも"頑張り屋"と長所を認めてもらってるところ。

長谷川さんに対する恋心がうまくいかない可能性もありつつも、まっすぐに表出し続ける強さも魅力的でした。

また、長谷川さんに対して性的にも魅力を感じてると素直にカメラの前で表出できるところも、円熟した女性という感じでかっこいい。

裏表なく、信頼される方なんだろうな。

ある意味、バチェラーとは対極なのかもしれません。

難病の告白もしていましたが、思いもよらぬことが人生に起こり、おそらく様々な経験をして、考え抜いたからこそ今の竹下さんがいる気がします。

思考した上で言葉で表現してきて、だからこそ周りに竹下さんの理解者は多くあり、女性陣からも尊敬されている。

…だからこそ、難しかったのかな。

長谷川さんにとって竹下さんは眩しかったのかもしれません。

竹下さんの強さの裏にある弱さや頑張りすぎちゃう一面はきっと長谷川さんには見せられなかったような気がしますし、だからこそ、竹下さんと長谷川さんは結ばれなかったのかと推察します。

 

西山真央さん

くしゃっとする笑顔と、口角を上げる優美な微笑みの、笑顔の振り幅が魅力的。

西山さんの功績は目標があってそれに向けて奮闘してたり、愛に溢れた素晴らしい家族じゃなくても良いんだってところ。

今までのバチェラーの登場人物がよくする"愛に溢れてて仲良くて、だから自分もそういう家庭を作りたい"という家族語りは、なかなかお腹いっぱいでした…笑

幸せの在り方は画一的で、不幸の方が多様性がある…とそういうことなのかもしれないですが…

特に西山さんは、その旅行も行かないドライな家族ってことについて、葛藤せずにさらっと話すのが良かったですね。

大それた夢や目標も語らないところも、日常を過ごす等身大の市井の人の感じで良かったです。

泣かないというお母様から受け継いだ感情表出について、地方から都会に出てきて世界はどう変わったのか、故郷や家族に対する捉え方について、バチェラーに深掘りして欲しかった…!

26歳という若さ、ここで生涯のパートナーを決めるのではなく、試行錯誤して自分の生き方を模索していくのだろうな。

まず自身を耕す時期なのかもしれませんね。

今後どのように経験を重ねていくのか、5年後くらい先にまたどこかで西山さんをみてみたいです。

 

大内悠理さん

大内さんのその行動が過去の水商売で培ったテクニックじゃないかと指摘してる声も上がっていますが…

水商売の世界で活躍する方って、偽りが少ない方…だと思うんですよね。

小手先のテクニックではなく、本心で人と関わってる(ようにみえる)からこそ、人気を呼ぶのではないでしょうか。

大内さんはしばしば涙をこぼします。その涙は、どんな言葉よりも感情をまっすぐに伝えるように思います。

言語表現を課題としていたバチェラーは、そもそも恋人とも非言語やシンプルな言葉でやり取りする方が楽なのかもしれないですね。

その大内さんの感情表現を受け止めること、そして喜ばせたいと思うこと、それ自体が自分にとって喜びなんでしょう。

そしてスタジオの誰かが言っていたように、大内さんと一緒にいて守ってあげられる自分が好きな自分なんでしょうね。

よく一昔前の漫画や小説で"あいつは俺がいなきゃダメなんだよ"と振られる女性の描写がありましたが…、頼りにされて、自分が相手にとって価値がある存在だと思うことって、大事なのかもしれませんね。

特にこれから更に自分自身を高めたいと思っている場合には。

大内さんの人となりももっともっと知りたかったな。きっと人気者だろうに、友達がいないと思い込んでしまった背景とか。

大内さん、長谷川さんおめでとうございます。