この本は、何か達成したい目標があるにもかかわらず、どうしても出来ない…人に向けた本です。
大抵の人はその原因を自分の意志の弱さに帰属させ、決意を新たにしたり自責することでまた目標に向けて動き出す…けれど、なかなか変わらない。
じゃぁどうして変われないのかを、科学的な研究を多用することで解き明かしている本です。
おもしろかったのは、"ストレスがたまると意志力が低下する"という研究結果。
気が散ったり、ストレスが溜まったり、睡眠不足であればそれほど、意志力は低下し、望ましくない行動を取ってしまうのだとか。
ダイエット中は浮気が多いという話も興味深かったです。
更に、ストレスがたまると糖分と脂肪分が高い食べ物に手を伸ばしがち。
これは、疲れてるとジャンクフードを食べたくなる実体験からも理解できます。
なので、天敵であるストレスを解消する方法も挙げられていました。
- エクササイズ、スポーツ
- 読書、音楽鑑賞
- 家族や友達と過ごす
- マッサージを受ける
- 外で散歩
- 瞑想やヨガ
逆に、効果がないストレス解消もあります。
- ギャンブル、煙草、飲酒、やけ食い、
- 2時間以上のテレビ視聴、インターネット
効果がある方は、セロトニンやオキシトシンが分泌されるため、リラックス効果があるとのこと。
逆に効果がない方はドーパミンが出て、興奮するけれど、ストレス軽減には寄与しづらいんですね。
運動のメリットは特に書かれてました。
- 注意力の改善
- 喫煙、飲酒、カフェイン摂取量の減
- テレビ視聴減、勉強時間UP
- 感情コントロール能力UP
- 先延ばし傾向減、約束守る力UP
- 抗うつ
すごい!
身体にいい行動を取り始めるんですね…
特に"グリーンエクササイズ"、自然の中に行くことも奨励されています。
公園に5分間行くだけでも効果があるのだとか。
夫が職場の草野球に参加していることも、大事ですね…。
土日に家族で図書館へ行ったり、公園でお散歩したりする時間の使い方も家族全体の健康のためには良いみたいです。
"どうにでもなれ効果"もあるあるー!と頷きながら読みました。
これは、ちょっと失敗するだけでもういいや、どうにでもなれと、諦めてしまうこと。
あるある!
ダイエット中に体重計乗って値が+2キロだったらもういいやと思います。
また、少し多めに食べてしまうともういいやと過食してしまいます。
なぜこんなことが起こるか。
それは、私たちがちょっとつまづいた時に感じる後ろめたさや、自責の念が原因でした。
ちょっとつまづいた時、目標への思いが強いほど嫌な気持ちになり自責します。
"またやっちゃった"、"弱い自分"
ここで、自己批判をしてしまうことで、無意識にその嫌な気持ちから逃れようとして"もうどうにでもなれ!"と食べてしまうのです。
自分に甘くしないことが大事と社会通念のように思われていますが、自己批判はネガティブな影響しかないんですね。
じゃぁどうすればよいか、自分を認めてあげるんです。例えばこんな方法で。
①つまづいた時の自分の気持ちや考えについて客観的に観察する
"またやっちゃった、わたしはダメだなぁ"と思ってるなぁ
"もう無理だ!"と諦めたくなってるなぁ
②人間だから、時にこういう時があってしょうがないと思う
③友達が同じような状態になったらなんていうか考える
そういうときもあるよね、疲れ溜まってる時は特にそうなるよね。大丈夫だよ。
自分の思考の癖はなかなか強固ですが、意識的に考えるようにします。
それによって、もうどうにでもなれ現象は起きづらくなるんですね。
この部分がすごく衝撃でした。
自分を責めるのはもうやめよう、何もいいことを産まない。
いろんな行動改善のためのエッセンスが含まれている本ですが、わたしにとって一番良かった考え方は
"今日やった行動を一生やると考えよう"です。
人は明日の自分に過大な幻想を抱いています。
"ダイエットは明日から"
"来週から歩き出そう"
今日できないことは、大抵明日もできません。
なので、とりあえず今日やることが大事です。
喫煙者に、毎日同じ数だけ喫煙をするように伝えるとタバコの本数が減っていくのだそうです。
このやり方だと、明日の自分じゃなくて今日の自分をコントロールできるからですね。
わたしの直したい癖は、疲れている時に髪を洗ったり乾かしたりすることが億劫になることです。
今日もめんどくさいな、このまま上がりたいなという思いが出てくるのですが、
"今日洗わないなら明日もずっと洗わない自分でいいのか?って話だよなー"
とつぶやくことで行動できるようになりました。
あとは、"明日しなくていいように今日はしておこう"と考えたり…ですかね。
自分の行動を変えたいとき、また読み返したい本だと思いました。