木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

コウノドリ16巻

コウノドリ(16) (モーニング KC)

コウノドリ(16) (モーニング KC)


VBAC(帝王出産後の経膣分娩)に関しての鴻鳥先生と四宮先生の意見の対立が興味深かったです。

小松さんが"二人ともお母さんと赤ちゃんのことを第一に考えている"と言っていましたが、根底が同じであっても、リスクを説明してその上で両親が選んだ分娩を応援する立場の鴻鳥先生と、母子のリスクが高まるお産を反対する立場の四宮先生。


時代はきっと鴻鳥先生の方に流れているかな?

インフォームドコンセント、説明した上での同意、患者の選ぶ権利を尊重される傾向は医学領域で進んでいるのですよね、きっとここ30年くらいで。

お産も一種のサービス業と捉え、最大限母子の意思を尊重する立場が広がっているような。

バースプランを書かせたり、豪華な入院部屋や食事を売りにしている産院も多いですよね。


私は…うーん。

自分の性格や、産後の自分の生活環境も考えて、選べるところは選びたいです。

なので、鴻鳥先生が主治医だと嬉しいですかね。


コウノドリのいいところは、周産期医療にまつわる問題点をかなりフラットな視点で書き、判断や結論は読者に任せているところだと感じました。


私がコウノドリを読む理由。

それは、心理士という職業柄です。

一人一人の子供にとっての乳幼児期の状況、女性にとって、ご家族にとって産前産後どういう経験をしたか。

それは、目の前の人を理解する上でとっても大切な知識であると思います。

専門書を読み解くだけではわからない、実際に経験した人の思いや経過を知ることができる、貴重な漫画だと心から思いました。