なぜ発達障害を持つ子は怖がりなの?
もうすぐ2歳のA君は、場所見知りがひどく、いつもと違う散歩ルートだと泣き叫ぶ。
どうしてこんなに怖がりなの?
※2歳の時点で発達障害と診断を受けることはほとんどありませんが、もし後に診断を受ける子が2歳児でこの状態だった理由について聞かれた場合の説明です
そもそも、子供は一般的に大人より怖がりです。
それは、この世界についてよくわからないことが多いから。
もし、私たちがパラレルワールドのよくわからない世界に行ったら、恐怖や不安は強く感じます。
何が危険で何が安心なのか、どういうルールなのか、どうやって生きていけば良いかわからない時。私たちは不安を感じるのです。
これと同様、幼い子供にとってはこの世界についてまだわからないので、怖がって当然なんですね。
でも、初めての場所でも怖がらない子がいる。
それは、安心できる人が側にいて、護ってくれるという確信があるから。
その確信というのは、一般的にアタッチメントと呼ばれる、特定の人と子との"関係の発達"で生まれるものです。
発達障害とは、人がもついろんな能力の中で特定の部分が遅れている障害です。
自閉症スペクトラムという障害はのはこの"関係の発達"が遅れてしまうこと。
だから、この"この人がいれば大丈夫"という安心の感覚が育ちづらく、怖さを感じやすいです。
また、この"怖さ"は、言葉が発達すれば和らぐとも言われています。
言葉によってこの世界を名付けて、理解していくことができれば、不安は緩和されます。
未知なものは恐ろしいです。でも、初めて出会うなんだかわからない物体じゃなくて今まで何回も見たことがある"ワンワン"であると、知っていれば安心するものです。
しかし、発達障害を持つ子はしばしば言葉の発達が遅れることが多いです。
なので、一般的な言語発達の子に比べて、怖さを感じやすいということも言えます。
参考書籍