あるデータ(国立社会保障・人口問題研究所 2002 第12回出生動向基本調査)によると、
25年前の1970年代は、生まれてくる子として女の子を望む親はわずか2割しかいませんでした。
現在は逆転し、男の子を望む親が2割ということになっています。
これの理由として、昔はイエ制度が強く「家の跡継ぎ」としての男の子が
喜ばれたからだといわれています。
現在ほど高齢者施設が滞っていなかったことより、お嫁さんに介護をやってもらうという願いもあったことでしょう。
だから男の子が喜ばれた。
じゃぁ、今は?
今は、男の子だと学歴期待によって大学まで行かせなければと思う親が多いことを踏まえ、経済的な負担による回避があるようです。
また、女の子だと一緒に買い物にいったり食事にいったりなど、
母親の情緒的サポート源にできるのではないかという期待もあるのではないでしょうか。
ちょっと前にはやった「友達親子」あれも殆どの組み合わせが母親と娘だったように、
母親が娘の存在をよき話し相手、相談相手であり、買い物や食事のパートナーという
情緒的サポートをしてくれる相手として捉えているという子供観の変化が伺えます。
確かに、私の友人にも思い当たる子が数人います。
大学を卒業し、就職時も地元に就職することを望んだ子。
一人暮らしをしたくなっても「寂しいから家から通ってほしい」との言葉を
かけられるそうです。
その子も、お母さんに寂しい思いをさせるのは忍びないから…と、
一人暮らしをしたい気持ちは我慢し、実家から通っているとのこと。
…一時期は、パラサイトシングルだと批判されたこともありましたが、
子供の依存という要因だけではなく、親の依存という要因も大きいと考えられます。
一人暮らしをしている友人の殆どは、私も含めて
「一人暮らしをしてから親といい関係を保てるようになった」と、言います。
お互いが一人の成人同士として新しく関係を築きなおすためには、
一度離れることが必要なのかもしれないなーって思います。
雑感ですが。
参考図書
柏木惠子編著(2010) よくわかる家族心理学 ミネルヴァ書房