木馬の時間

ブログタイトルは俵万智さんの大好きな歌から。ゆっくり、前に後ろに。

バチェロレッテep01

福田萌子さんは自分の感性を大切にし、言語化することを重じている人。

自分の内面と矛盾する物を出したくない人で、嘘をつきたくないから、番組のルールに従わない。

番組を番組として成り立たせるためには、そのルールに則ることが必要…なのに、なぜそのルールを破るのか?っていう、男性陣の疑問

 

言葉でのコミュニケーションを求めているけれど、出てきた言葉の美しさは問わず、言語化しようとするその姿勢を評価する。自分に向き合ってる瞬間の人間を尊く思い、感動する。

この旅で萌子さんは何度も涙してるけれど、その全てが、相手がしっかり向き合ってくれた瞬間だったと思う。

だからこそ、それに応えられない時、心の底から苦しい。

 

そもそも、すべての人がスペシャルで優劣つけれるものではないとの信念の萌子さんが、順番を決めなければいけないことに対する葛藤は計り知れない。

その葛藤を矛盾しない形で成立させるためには、"私とは合わなかった"、"男性として見ることができない"と、自分の気持ちを優先するしかない。

 

その涙に、言葉を用いず抱きしめて背中を撫でることで受容したローズ。

ローズは、ディズニーの王子様のような美しい容姿と、目の前の人を尊重する愛に溢れた人。

ご家族の絆や、お母様の愛を見て、しっかりと愛情を注がれて育ってきた人だと感じた。

"あなたはここにいていい"、"あなたは特別な素晴らしい人"、家の外の世界で感じた葛藤を家族の愛で癒してきた人。

だからこそ、目の前の萌子さんの涙にも、自分がしてきてもらったように、非言語で受容することができた。

一方で、ローズの特徴として表現方法が言語ではなかったんだとも思う。

言語能力の高い人って、葛藤を孤独に抱え、自問自答してよく考えている人。

ローズは、言語ではなくて、非言語の部分で表現する人。

だから初回からスキンシップをし、事ある度にハグをして、身体に触れた。自然の形だったから、不自然なスキンシップならば拒絶した萌子さんも自然に受け入れる。

ローズは、セックスも含め接触という非言語で関係性を育み、愛を表現する人なんだろうな。

そういうローズだからこそ、愛を言語で伝えようとする時、歌を歌うのが印象的で。

自らの中から言語を紡ぐ力が欠けてるから、歌を借りて、自分の思いを込めようとしたんだろうな。

 

杉ちゃんは逆で、非言語のコミュニケーションが苦手な人かな。

まっすぐ見つめてくる萌子さんに、視線で返すことができない、スキンシップもぎこちない。

だからこそ、自らにあった表現方法である絵を描くことで、思いを伝えている。

最後の時絵を描く自分を見せたのが象徴的で、あれは杉ちゃんなりの愛情表現で、萌子さんを愛する姿を見せているものだった。

また、普段から思いを巡らせて、自分にとってしっくりする言葉を探している人。

だからこそ、萌子さんに対して、言葉で伝えることもできる。

でも、杉ちゃんの残念なところは、泣いている萌子さんの涙を拭いて"泣かないで"と言うところ。

あの涙も、萌子さんの思いであって、その思いを受け止めるためには、止まり木になるためには、涙は拭かず、泣かせてあげることが正解だと思う。

そう、杉ちゃんは発信に優れてる人。

でも、恋愛って相互関係で、萌子さんの思いを受容するってところが、欠けてるんじゃないかなと思う。

 

黄さんは、正直よくわからなかった。

男性人をdisったり、自信家っぽく振る舞ったり、それらが演出に見えて。

でも、完璧でつまらないと言われることに苛立った黄さんはとても人間的で。

最後の、俯瞰して言わないでもっとリアルなあなたを見せてという萌子さんの言葉に動揺して、まとまりのない話をした黄さんはとても人間的で。

その人間的な表情を、萌子さんにもっともっと見せていたら違ったストーリーだったのかな。

萌子さんは自分のハイスペックさなんて興味がなくて、それよりも内面を見せてと言っていて。

鎧を剥がして内面を見せることなんて…見せ方すらもわからなくなってしまってるんだろうな。

萌子さんが求めてることに、答えられないのが、今の黄さんだから、ローズを渡せないのも無理はないだろうな。

 

面白かったー!